在職中の労働問題の解決に、労働組合は非常に有効です。当事務所は、労働組合と連携し有利な解決を図った実績を多数持っています。

労働組合に加入して、在職中に残業代の交渉していたが、解決しなかった事案で、当職が労働組合による交渉と並行して受任した事案で、第1回期日直後に和解が成立しました。労働組合を通すことで単に過去分の清算だけでなく、将来につながる解決ができました。

在職中に会社と闘うには、仕事を外す、残業をさせないなど様々な嫌がらせを受ける恐れがありますが、慰謝料の問題は別として嫌がらせに対する補償を請求するのはなかなか困難です。しかし、労働組合活動の一環として行っている限りは、労働組合法上の違法な差別扱いとなり救済の対象となりますので、会社も手を出しにくくなります。そのため、特に在職中の労働問題の解決には労働組合は非常に有効です。

使用者と労働者は本来対等な経済活動のプレーヤーとして対等に交渉できて初めて合理的・効率的な市場を形成することができます。しかしながら、実際の交渉は対等でありません。それを放置すると、合理的効率的な市場形成がゆがめられることになります。そのため、労働者は労働組合を結成し団体交渉をすることが憲法や労働組合法で認められています。そして、労働組合を結成し、交渉する権利を保護するため、労働組合法は違法か否かに関わりなく、労働組合への加入や団体交渉をしたことによる不利益扱いをすることを禁止していますので、たとえ裁判所で争う場合でも、退職後の事案でなければ、労働組合に加入するメリットは大きいのです。

また、会社は労働組合から交渉を申し入れされた場合には、団体交渉を拒絶することはできず、また要求を拒否することは違法ではありませんが、要求を拒絶する理由をちゃんと説明する義務を負います。そのため、ほとんどの事案では裁判まで至らずに解決しています。当然裁判をやるよりも早期の解決となることが多くなります。

また、解雇事案など在職中でない労働問題でも、労働組合の団体交渉を並行して行うことで、会社に対するより強い圧力となり、退職を前提とした解決をする場合でもより有利な解決を行うことができます。つまり、労働組合に加入していれば、戦い続ける強い意志をもっている労働者だと印象付けることができ、退職条件で大きく譲歩するほかないと追い込むことができます。

私は労働問題に専念している弁護士として、労働組合とも連携して一般的な弁護士の解決水準よりも有利な解決を図った実績を多数持っています。

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このコラムの監修者

  • 増田 崇弁護士
  • 増田崇法律事務所

    増田 崇弁護士(第二東京弁護士会所属)

    2010年に増田崇法律事務所を設立。労働事件の専門家の団体である労働弁護団や過労死弁護団等で研鑽を積み、時には講師等として労働事件の専門家を相手にして発表することもある。2019年の民事事件の新規受任事件に占める労働事件の割合は100%である。