厚生労働省の労災の認定基準では発症後に,「特別な出来事」に該当する出来事があり,その後6ヶ月以内に自然経過を超えて精神障害が悪化した場合には,発症後の出来事であっても考慮されるとされています。 「特別な出来事」とは,生死にかかわる業務上の怪我,強姦など本人の意志を制圧してのセクシャルハラスメント,時間外労働が1ヶ月160時間を越える労働などをいいます。  

また,発症前6ヶ月より以前であったとしても,いじめやセクハラが継続的に行われている場合には,一連の行為として評価すべきであり,全体を考慮するとされています。 従って,発症前6ヶ月以内ではないからといって一概にあきらめる必要はありません。

さらにいえば,そもそも,本当に発症前6ヶ月以内ではないのか,つまり発症時期が何時かという点も再検討すべきでしょう。

また,発症前6ヶ月以内というのは,行政段階の基準に過ぎません。脳心臓疾患の事案ではありますが,最判平成12.7.17は1年半ほど前の事情も考慮していますし,発症後の事情や発症日から6ヶ月より以前の事案も積極的に主張すべきです。