発症前6ヶ月以内でない期間に過重労働しても原則として考慮されませんので,発症時期が何時かが大変重要になります。

発症時期と精神科受診の時期が違い,精神科受診の前後には過重労働の事実がないからと言って,あきらめる必要はありません。

精神疾患の発症時期はICD-10の基準に従って,判断することになります。

うつ病であれば

  1. 抑うつ気分
  2. 興味と喜びの喪失
  3. 易疲労性
  4. 集中力と注意力の減退
  5. 自己評価と自信の低下
  6. 罪責感と無価値感
  7. 将来に対する希望のない悲観的な見方
  8. 自傷あるいは自殺の観念や行為
  9. 睡眠障害
  10. 食欲不振

などの症状が発症した時期は何時かを検討することになりますが,これらの事情は本人の供述や身近な人の供述に頼るほかないという面が多分にありますので,基本的には本人や家族などの供述に従って,発症時期は認定されます。

従って,発症から受診までに時間が経過していてもそれ程心配する必要はありません。

もっとも,精神科に受診した以降に発症時期を遅らせることは困難です。医師により症状などが記録されており,労基署は必ず医療機関への受診記録を取り寄せるからです。ただ,1回だけ睡眠薬をもらっただけで継続的に治療しているわけではないといった場合には,受診していても発症とされない可能性はあります。