労災保険はパート・アルバイトを含む従業員を一人でも雇うのであれば,加入の義務があります。

労災保険法で加入が義務付けられている,労働者とは労働基準法の労働者と同じ概念とされています。

そして,労働基準法上の労働者に当たるかどうかは,契約書の記載ではなく,労働実態がどのようなものであるかにより決まるとされています。労働基準法は労働者を保護するために制定されたものですので,単に契約書などに業務委託契約,請負契約,委任契約としただけで適用されないとすれば,使用者としての義務を容易に免れることになり,労働法を制定し,労働者を保護した目的を達成できなくなってしまうからです。

 

では,労働者か否かはどのように判断されるかですが,これは以下にあげる要素を総合考慮して(一つでも要件が欠ければ労働者にならないという意味ではありません。)ということになります。総合考慮の仕方についてはケースバイケースですので,労働事件の経験が豊富で相場観に精通した弁護士にご相談されることをお勧めしますが,労働者性が争われて労働者でないとされることはそれ程多くはありません。

  1. 仕事の諾否の自由
  2. 業務に関する指揮命令の有無
  3. 本来業務以外の業務を指示されることがあるか
  4. 労務の範囲、性質(広汎性、専門性)
  5. 時間的場所的拘束の有無
  6. 労務の提供の代替性(交代や補助要因の使用)
  7. 給料の支払い方法(時給制や残業代の支給状況)
  8. 源泉徴収、社会保険の加入状況
  9. 機械器具の所有
  10. 経済的従属性(専属制)
  11. 報酬の生活保障的要素(固定給部分の有無、報酬額)

 

なお,会社は仮に業務委託契約であるとして労災保険に未加入であった場合には,発覚すると,労働基準監督署から過去分も含めて保険料を支払わされるだけで,勤務先が労災保険に未加入であるから労災保険の保険金がおりないということはありません。

なお,名実共に自営業者であるという方でも,任意加入という制度で労災保険に加入することはできます。精神疾患は一番身近で働けない期間も長い病気ですので,保険が一番必要になるものですが,民間の保険では補償の対象にならないことが多いため,任意加入を検討すべきです。任意加入制度については,こちらもご覧ください